日常のカケラ

場面緘黙とASD不登校次男やおっとりマイペースの長男の記録

タイミングは存在している

 子育てをしていて感じるのは、タイミングが大事ってこと。

 中3になる長男を育てていて本当に思う。できない時期は何やってもできない。

水泳

 長男は習い事盛りだくさんの幼稚園出身だ。英会話、水泳は授業に組み込まれていた。英会話なんてまともに出来ていないし、水泳も1mも泳げないレベルだった。

 長男は同級生から比べると2年くらい成長が遅めよね。とおおらかに見ていたから、できないコトに対してあまり気にもとめていなかった。そして、小学校入学と同時に水泳を本格的に習い始めた。おっとりまったりな長男は1年経っても初心者の次の階級までしか行かなかった。

 同級生はみんなドンドン上に上がっていき、自分よりも一回り小さい子がまた入ってくる時期になった。自分よりも小さい子に囲まれたら長男の自尊心が傷つくかも、と水泳をやめさせた。

 そんな長男は水泳を再開する日が来る。次男が小学1年生になったときだ。長男は小学3年生になっていた。怖がりの次男が1人で行くのは難しそうだったので、長男も付き人のようにセットで行くことにした。

 小学1年生の1年間で、1階級しか昇進しなかった長男だったが、1年の間に5階級も進んだ。ちなみに次男も同じ速度で5階級昇進した。

ーえ?あの1年間は何だったの…?

と、思うくらいの上達速度であった。

 結局「選手にはなりたくない」と言って、階級をワザと上げずに過ごし始めたのと、中学受験をしようという私の目論見もあって小学6年を目前にやめることにしたのだ。

 このおかげで、クロール・平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライはお手の物で200mリレーは余裕で泳げる男になっている。運動神経がポンコツの長男が、中学校の水泳の授業では泳げない子を教える係を毎年任命されるほどになっていたのだ。

中学受験

 長男が通う中学校は、この地域でも有名なくらいヤンキー排出中学校である。そして、私の母校でもある。ゆえに、この学校に入るデメリットを身をもって知っているのである。だから、絶対にこの中学校に通って欲しくないと思っていたのだ。

 その気持ちがとても強かったので、中学受験を目論んでいた。

 小学校4年から個別塾を週3日通い、塾の前後も家で私が教える日々を過ごしていた。学校のテストはいつも50点くらいをキープしていたのが、小学校6年には学校のテスト90点台が当たり前の状態まで持って行った。できる人からすると小学校のテストが90点台でも低いのは知っている。こんなに努力して90点台?って言いたいところだけれども、九九が怪しかった長男からしたら相当な出来であった。

 しかし、中学受験の目的を説明しても「へぇ」と他人事。勉強してもすぐ不貞腐れる。毎日毎日、私と長男はぶつかりあっていた。6年生になっても模擬テストが酷い点数だったので、お金をかけて家族でぶつかりあってる状態で、受験して志望校落ちたら親子共々色々としんどいな。と思って夏休みの時点で受験することをやめた。

 長男が受験のことすっかり忘れてヤンキー排出ダメ中学校に通い始めた。他の中学校に比べるとかなりゆるゆるな学校である。そんな中学校ですら毎日を過ごすことに精いっぱいの長男を見ていたら受験ということがまだまだ早すぎたのだと思った。

 その経緯もあって、高校受験なんて「今から準備しても間に合わないからもういいや」と思っていた節がある。中学受験の時のように私が尻を叩きまくって勉強する年齢でもないし、何よりも本人の「やりたい」という意思を大切にしたかった。

 1学期終わり、三者面談で。見えない漠然とした未来に何もやる気がでない長男に「一度でいいから長男の本気を見てみたい」と言った。

 夏休みの間、長男は毎日勉強していた。受験という遠い目標だと嫌になってしまうだろうから、まずは2学期最初にある小テストを目標にした。目標が決まれば早い。テストに出る内容は学校が出してくれていたので、2週間という短い夏休みでどれだけ勉強すればいいかの割り振りを一緒に考えた。

 そこからは、毎晩、勉強の仕方を教えることに。中学三年生の内容は久々過ぎて毎日頭をひねることになった。それでも謎解きみたいでとっても楽しかった。英単語の意味。歴史の流れ、化学の計算式などを2人でいつも議論し合いながら解いた。

 昨日、小テストを受けた長男はほぼ満点に近い点数をとったらしい。嬉しい。とっても嬉しい。今までで一番手ごたえのある反応を長男がしていた。

「俺、ちょーーーーーーーーーーー久しぶりに100点取った。めちゃくちゃ嬉しい!!!」

 小学校以来じゃないかな。本当に。

 次の目標は9月末にある中間テストだ。もう一人で勉強できるようになり始めてるから、私のすることはルーティンになるまでは声掛けかな。

 今日も、長男が塾に行く前に何かブツブツ言っていた。よく聞くと

「今日、社会で何したっけ。え?なんだっけ?」

 私が去年からずっと言い続けていた”帰ってきたらその日の授業の復習をする”を言われる前から実践しようとしていたようだ。

 実行するまでには1年という時間がかかってしまってるけど、帰ってきてから復習しよう!という気持ちになってくれるだけで嬉しい。諦めずにしつこくならずに「提案」という形で長男に言い続けていたことがこれから花開くかもしれない。

 長男の高校受験が凄く楽しみになってきたのであった。

 ちなみに、総合学科かビジネス科がある高校の推薦を受ける予定。落ちたら一般受験して、それも落ちたら通信制かなということになっている。

 私立は金銭的にも難しい。がむしゃらに働けば頑張って行かせることもできるんだけど、家族で遊ぶお金なくなるから私立は嫌だと、長男が拒否してる。私立行くよりもみんなで旅行に行きたいんだってさ!もう可愛いよな!

 受験終わったら旅行に連れて行ってやるからなー!と心に決める母であった。